Japanese
English
研究と報告
Y-516の精神分裂病に対する長期投与試験
Long Term Therapy of Y-516 on Schizophrenla
猪狩 中
1
,
花田 照久
1
,
下島 秀一
1
,
大賀 哲夫
2
,
橋本 俊明
3
,
押尾 雅友
4
,
稲葉 秀邦
5
,
田鹿 好昭
5
,
金 英雄
5
,
安藤 利道
5
,
井上 道雄
1
,
竹村 堅次
1
Tadashi Igari
1
,
Teruhisa Hanada
1
,
Hidekazu Shimojima
1
,
Tetsuo Ohga
2
,
Toshiaki Hashimoto
3
,
Masatomo Oshio
4
,
Hidekuni Inaba
5
,
Yoshiaki Tajika
5
,
Hideo Kin
5
,
Toshimichi Andoh
5
,
Michio Inoue
1
,
Kenji Takemura
1
1昭和大学医学部精神医学教室
2昭和大学病院附属烏山病院
3大内病院
4日立梅ケ丘病院
5埼玉森林病院
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Showa University
2Karasuyama Hospital, Showa University
3Ouchi Hospital
4Hitachi Umegaoka Hospital
5Saitama Shinrin Hospital
キーワード:
Y-516
,
Major tranquilizer
,
Long term therapy
,
Schizophrenia
Keyword:
Y-516
,
Major tranquilizer
,
Long term therapy
,
Schizophrenia
pp.1317-1325
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204821
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抄録 精神分裂病患者27例に,Y-516を6カ月〜13カ月にわたり投与し,有効性と安全性を検討した。最終全般改善度は,「中等度改善」以上が59%,「軽度改善」以上が89%であり,「軽度悪化」以下は4%であった。精神症状の評価に用いたBPRSでは,「誇大性」「幻覚」「思考内容の異常」「疑惑」等に対する改善率が高く,優れた抗精神病作用を有するとともに「運動減退」「不安」「抑うつ気分」に対しても高い改善率が得られた。Y-516の投与量は150mg/日以下で維持される症例が多く,長期投与による効果の減弱傾向もなかった。副作用は,錐体外路症状が中心で,ねむけなどもみられたが,いずれも軽微であった。臨床検査所見では,一過性または軽度の異常が認められた症例があったが,試験期間中に投与を中断した例はなかった。有用度は,「かなり有用」以上59%,「やや有用」以上を含めると89%を占め,「やや好ましくない」以下は4%であった。
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