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特集 精神薬理
中枢シナプス機構に及ぼす向神経薬の作用
Action of Neurotropic Drugs on Central Synaptic Mechanisms
秋元 波留夫
1
1東京大学医学部精神医学教室
pp.732-739
発行日 1961年12月25日
Published Date 1961/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903949
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向神経薬の作用機序を明らかにする上に,それらの薬物の生物行動に及ぼす影響を臨床的,もしくは実験的に観察するとともに,その中枢における作用部位,或はその電気的活動に及ぼす効果を調べることが不可欠であります。とくに,最近,向神経薬の中枢作用の特質をシナプス機構との関連の見地から研究する試みが,漸く活発になつて精神薬理の基礎的知見を開拓しようとする努力が始つております。この方面の研究はようやくその緒についたところで,これまでに得られた結果も断片的であり,その成績にも研究者によつて背馳するところが尠くありませんが,この方面の研究が,今後の精神薬理の知見を確実にする上に,きわめて重要であると考えますので,現在われわれの研究室で共同研究者の斎藤,神保,平野,中川佐々木らとともに行なつている検索の結果をお話したいと思います。
実験には家兎を使用し,シナプス機構を異にする中枢部位として,新皮質運動領,旧皮質アンモン角及び小脳皮質をえらび,それらの部位の誘発電位に及ぼす向神経薬の作用を比較したのであります。
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