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I.はじめに
近年神経筋疾患の病理診断学に組織化学的方法が導入され,方法論の進歩とともに,剖検材料のみならず生検による早期詳細な病態診断がなされるようになり,その臨床的応用範囲はますます拡大しつつある。とくに形態学的変化と検索対象の動態とを顕微鏡下に捕捉しうるのは大きな魅力であるが,しかしそれはそれなりの問題点があり,疾患の本態論の追及と技術的方法論の検討は常に平行してなされるべきである。つまり,組織化学的技術が簡略化され,おのおの特異性が高まり,なかばroutine化しつつあるとき,得られた所見の読みは重要であり,筋疾患一つをとってもいたずらに新らたなcriteriaが氾濫してはならないのである。
本シンポジウムにおいて私は主に光顕的組織化学の面から,まず現時点における方法論上の問題点を述べ,ついで筋線維の代謝とその組織化学とくに神経支配との関連,病態像の証明された場合とその解析上の問題点を考察し,最後に組織化学的方法による診断的価値ないし意義につき概説してみたいと思う。
We have no more objection to the importance of histochemistry in the field of pathological diagnosis for neuromuscular diseases. But it is required that persuance of etiology of the disease and a study of histochemical methodology are done in parallel. In other words, the way of assessing the specificity of its method and the way interpreting the pathological findings are important. New criteria should not be produced at random.
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