Japanese
English
特集 三叉神経系
顎筋の固有受容器の形態
Proprioceptive organ of the jaw muscles
窪田 金次郎
1
,
柵木 利昭
1
,
佐藤 弥四郎
1
Kinziro KUBOTA
1
,
Toshiaki MASEGI
1
,
Yashiro SATO
1
1東京医科歯科大学歯学部顎口腔総合研究施設解剖部門
1Anatomy Section, Institute of Stomatognathic Science, Tokyo Medical and Dental University School of Dentistry
pp.998-1008
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903678
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Ⅰ.顎筋の定義
顎関節を作動させる筋系の解剖学は顎関節や歯列の形態とあいまって,顎運動を理解する上にきわめて重要である。顎筋は発生学的にはすべて第1鰓弓筋であるから,第1鰓弓神経(三叉神経の運動根)で支配される。この第1鰓弓筋は背側筋板と腹側筋板とに分かれ,前者は下顎挙上筋に,後者は顎間筋に分化する。下顎挙上筋はさらに哺乳類では,旧い顎関節の下顎となるMeckel's軟骨に対する位置的関係で,内側咀嚼筋と外側咀嚼筋に分けられる。これらの三つの筋原基は,発生学的に新しい顎関節の下顎骨に対して特徴的な角度で配列するいくつかの筋に分割される。これらの筋には,個々の筋の起始と停止とか,あるいは,その機能とか,あるいは,その形状,その局在,その他の特殊性などによって,名前が命名されている。つまり,顎筋とは,論理的には頭蓋から起こって,下顎骨の内側面と外側面とに付着する筋と,左右の下顎骨の間に張る筋への総称であると考えればよい。
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