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特集 三叉神経系
三叉神経系の形態—知覚核を中心とする線維連絡
Morphology of the sensory trigeminal nuclear complex: Its fiber connections
川村 祥介
1
Syosuke KAWAMURA
1
1岡山大学医学部第三解剖学教室
1The 3rd Department of Anatomy, Okayama University, Medical School
pp.985-997
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903677
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Ⅰ.緒言
三叉神経に関与する核は脳幹内で数個の核,すなわち上方より中脳核,主知覚核,運動核および脊髄路核から成っている。これらのうち,主知覚核および脊髄路核は橋より頸髄上方に至る連続した細胞群で,三叉神経知覚核群と呼ばれ,主として顔面および口腔内領域の知覚に関与している。ところで,脊髄路核は,一方で主知覚核が脊髄知覚系の後索核に類比されるのに対して,脊髄の後角に対応するものとして単一の核と考えられていた。しかしOlszewskiがこれをヒトおよびサルで細胞構築上三つの核(上方より下方に,上核nucleus oralis,中位核nucl. interpolarisおよび下核nucl. caudalis)に分割して以来,各種哺乳動物で同様の構成が認められるようになった。したがってその後の研究の主な焦点は,1)これらの核の間にいかなる差異が存在するか?また,2)これらと脊髄知覚系とどのように対応するのか?という点に向けられている。
以下これらの問題を念頭に置いて,三叉神経知覚核群の線維結合を中心に研究の概観をこころみたいと思う。
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