Japanese
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特集 末梢神経系の形態
脊髄神経—とくに後枝と固有背筋の関係について
Anatomy of the Spinal Nerves with Special Reference to their Relationship to the Proper Back Muscles
佐藤 達夫
1
Tatsuo Sato
1
1東京医科歯科大学医学部解剖学第2講座
1Second Department of Anatomy, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.391-401
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205897
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はじめに
末梢神経は肉眼解剖学の最も主要な研究対象である。しかし,つい最近までそれは組織学的研究や発生学的研究からほとんど独立して行われてきたと言っても過言でない。また中枢神経とのつながりについても深い断絶が存在していた。ところがHRP法をはじめとする研究法の画期的進歩は,これまで相互の交流を阻んでいた堀をどんどん埋め立てようとしている。こうした時期に,とくに神経学者のサイドから末梢神経の肉眼解剖学的情報,なかんずく筋の神経支配に関する詳細な情報とその体系的把握の提供が要請されるのは当然の成りゆきであろう。筋は運動神経の終末器官(Endapparat)1)とも言われ,筋と神経の結びつきはきわめて強固であり,筋系の肉眼解剖学的研究は神経支配を抜きに論じることは不可能である。本稿では紙数の都合上,後枝と固有背筋との関係を例にして,脊髄神経と筋の配列の係わりについて若干論じたいと思う。
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