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特集 神経系における液性情報伝達機構
神経分泌ニューロン終末部の物質放出機構
The release mechanism of the neurosecretory substance at the nerve ending
石田 絢子
1
Ayako ISHIDA
1
1順天堂大学体育学部生理学教室
1Dept. of Physiology, School of Physical Education, Juntendo University
pp.333-344
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903621
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I.神経終末における物質の放出
神経系における液性情報としては一般のニューロンのシナプスで分泌される化学伝達物質(transmitter)と,神経分泌ニューロン終末から分泌される神経物質つまりホルモンとがあげられる。これらの物質の放出については榎並1)により神経分泌細胞は通常の神経細胞の変形として取り扱われるものであるから,神経分泌細胞の分泌機構と神経細胞の分泌機構は同じ範疇で考察してもそれほどの間違いはないだろうとの示唆に富んた提言もあったが2),神経分泌の本来の定義にもみられるように,これらは必ずしも同じ範疇に属する出来事として取り扱われてきたわけではない。
神経分泌の本来の定義3):第1回国際神経分泌シンポジウムで採択された定義によれば,ニューロンが光学顕微鏡で見得る程度に顕著な形態を伴いつつ分泌活動を行なうことと定義されている。
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