Japanese
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特集 神経系における液性情報伝達機構
分泌機序の細胞生理
Cellular physiology of the secretory processes
菅野 富夫
1
Tomio KANNO
1
1北海道大学獣医学部生理学教室
1Dept. of Physiology, Faculty of Veterinary Medicine, Hokkaido University
pp.345-352
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903622
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はじめに
分泌secretionということばの内容は研究者によって少しずつ違っており,分泌機能を有している細胞も多種多様であって,分泌機序についてもどの動物のどの細胞についてどのような条件の下で進行しているのかという個別的な記述が必要かもしれない。分泌細胞の代表的なものは内分泌,外分泌細胞であるが,広義にはneuronも,肥満細胞,白血球などの細胞も含まれる。分泌機序についてみると,内分泌・外分泌といった分類よりも,分泌物放出型による分類(Kurosumi,196135);菅野,197225))が有用である。本特集の神経系の分泌物放出型は,今日でも多くの異論があるが34),最も可能性の高いものとして黒住の第Ⅳ型(一般には開口分泌exocytosis,eruptocrine secretion,emiocytosis)をあげることができよう16,25)。開口分泌とは分泌顆粒顆粒膜外面と細胞形質膜内面とが細胞内で接着,融合し,その融合点に小孔が開いて顆粒内容のみ小孔から放出され顆粒膜は細胞内に残るという放出形式をいう。
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