Japanese
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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:脳血管性障害
指定討論:脳出血の病理,ことにその動脈病変について—血管壊死発生における腎性要因
Histopathological studies on the blood vessels in brain hemorrhage, especially on renal factor in production of vascular lesions
西森 一正
1
Issei NISHIMORI
1
1長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設病理
1Department of Pathology, Atomic Disease Institute, Nagasaki University School of Medicine
pp.1132-1133
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903588
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昭和25年の日本病理学会総会で松岡教授が「脳卒中の病理—特に血管病変を中心として」と題して宿題報告を担当した。このなかで,高血圧性脳出血の発現機序は脳内小動脈の血管壊死の破綻にもとづくものであるとの結論を出した。その後,群馬大の大根田教授を中心とするグループにより,多くの症例や電顕などによる検索を加えた研究が積まれ,20年を経た1昨年,同じ病理学会総会で同じ演題による宿題報告が行なわれた。高血圧性脳出血の直接原因についてはわれわれの言う血管壊死,大根田教授の血漿性動脈壊死の破綻によることが再確認されたのである。この発現機序に関する病理については,前演者の吉田助教授の説明された通りである。
問題は,この脳内小動脈血管病変がどうして起るかということになる。
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