Japanese
English
特集 第9回脳のシンポジウム
主題:脳血管性障害
脳循環の自動調節機構
Autoregulation of cerebral blood flow
藤島 正敏
1
Masatoshi FUJISHIMA
1
1九州大学医学部第2内科
1The Second Department of Internal Medicine The Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1134-1140
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903589
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
自動調節機構(Autoregulation:自動調節と略す)とは臓器の需要に応じて血液供給を調節する機構という広義と,臓器への灌流圧が変動するにもかかわらず血流量を一定に保つ狭義があり,一般に自動調節といえば後者をさす。脳血管障害による脳虚血1〜3),低酸素血症による脳ヒポキシア4〜6),脳外傷7),高炭酸ガス血症8)などの疾患あるいは状態では,もはや正常の自動調節は失われ,灌流圧の変動に一致して脳血流量が増減する。とくに脳血管障害における自動調節の保持の有無は治療の面からもきわめて重要である。しかしこの自動調節の作用機序は組織圧説,筋原説,代謝説,神経説などあり今日なお不明な点が少なくない。本文では,このうち代謝説を示唆する実験成績を示し,考察を加えた。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.