Japanese
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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:神経情報処理機構
指定討論:網膜の色覚情報処理における双極細胞とアマクリン細胞
Response properties of bipolar and amacrine cells in relation to color coding in the retina
御手洗 玄洋
1
Genyo MITARAI
1
1名古屋大学環境医学研究所
1The Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
pp.1113-1114
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903584
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- Abstract 文献概要
視神経節細胞は,その受容域の中心刺激で興奮(on-centre),周辺刺激で抑制(off-surround),またはその逆の空間対比的な受容域構成を持つが,細胞によってはこの対比構成が色光に依存し,さらに,中心,周辺の各同一野内でも色対比を示すもののあることが知られ,その典形として,中心刺激でred-on,green-off,周辺でこの逆になるという構成が金魚の視神経で発見された1)。これは同時および継時色対比とよく対応し,色覚情報伝達の主役としてopponent color cellと呼んでいる。当然節前諸単位の特性が関与すると考えられ,水平細胞のS電位におけるC型2)もその一つである。
水平細胞は空間特性を示さず,C型でも継時色対比的な応答だけであるが,双極細胞,アマクリン細胞は,中心一周辺の相反性を持ち,またこれに重なった色光応答特性も指摘されている3)。両者は視神経節細胞に直接するので,opponent color cellの受容域構成のprestageとしてこれらの特性を詳細にすることは,網膜情報処理機構の解明に有意義である。このため,鯉の遊離網膜の双極細胞,およびアマクリン細胞電位につきその色受容域構成を検討した。
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