Japanese
English
特集 第9回脳のシンポジウム
主題:神経情報処理機構
指定討論:反応・行動に先行する陰性電位について
Negative potential preceding to initiation of behavior
池田 暉親
1
,
取違 慎一
1
,
一ノ瀬 孝行
1
Terutika IKEDA
1
,
Shinichi TORICHIGAI
1
,
Takayuki ICHINOSE
1
1九州大学医学部精神科
1Dept. of Neuropsychiat., Faculty of Med., Kyushu Univ
pp.1105
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903582
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- Abstract 文献概要
誘発電位はもちろん個人差の大きいものであるが,耳朶を不関電極とした単極法で記録すると,一般に,100-200msecの間に比較的大きな陰性電位と,それに続き300msecのあたり,あるいはそれ以後に,大きな陽性変化がみられる。光刺激と音刺激に対する頭頂部の誘発電位を比較すると,この大きな陰性,陽性の電位変化は,音刺激に対するものが光刺激に対するものよりも潜時が短い。この電位変化は,注意の集中とか,刺激に対してスイッチ押し反応をさせるなどによって増強する。それぞれの刺激に対してスイッチ押しをさせて反応時間を測定すると,音刺激に対する反応時間は,光刺激に対する反応時間よりも有意に短い。スイッチ押し反応は,誘発電位の陰性電位に続いて起こり,反応とともに電位は陽性変化をする。音,光それぞれの刺激に対する誘発電位の陰性ピークと,それぞれの反応時間の間には相関がある。
音刺激に対する反応時間を,刺激の強さを変化させてみると,ある刺激強度の範囲では,刺激が強ければ反応時間は短縮する。反応時間の短縮と,陰性,陽性の電位変化の増強との間に相関がある。
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