Japanese
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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:神経情報処理機構
サルの前頭前野ニューロンの活動と学習行動について
Single unit activity of the primate prefrontal cortex and learned tasks
久保田 競
1
Kisou KUBOTA
1
1京都大学霊長類研究所神経生理研究部門
1Dept. of Neurophysiology, Primate Research Institute, Kyoto University
pp.1102-1104
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903581
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前頭前野がわれわれの行動にどう関与するか,約1世紀前から多くの実験的研究がある1)。しかし一定の学習性行動を被験動物に教えこんでから,前頭前野の部分破壊をし,その前後で行動を比較し脱落症状をしらべるということが始まったのは,Jacobsenら2)以来のことである。
このような実験は,主にサルで行なわれ,また,主に行動心理学者や生理心理学者によって行なわれて来た。前頭前野の特定部位と,それと関連する学習性行動として確立されたものとしては二つのものをあげることができる。前頭前野の背外側部の主溝のうち,3分の1の部分を両側性に除去すると,遅延反応delayed response,DRと遅延交代反応delayed alternation response,DAが永久に失われる。また,主溝のやや後方にある弓状溝を前後の壁を含んで除去すると条件位置反応(conditionalpositional response,CPR)が脱落する。
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