Japanese
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特集 神経系の加齢
中枢神経系の加齢と脂質
Aging alteration of lipid metabolism in central nervous system
関本 博
1
,
中田 勲
1
Hiroshi SEKIMOTO
1
,
Isao NAKADA
1
1金沢医科大学老年病科
1Department of Gerontology, Kanazawa Medical University
pp.710-718
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903535
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Ⅰ.まえがき
神経組織の構成成分のうち水を除きもっとも大きな割合をしめるのは脂質成分である。場所によっては乾燥重量の75%またはそれ以上が脂質で構成されるところがあり,脂質と神経機能とのつながりについても種々検討が加えられてきている。しかしながら加齢と神経組織中の脂質成分との関係についての業績は今までのところ比較的少なく,変化の意味づけについてもえられている知識はごく限られた領域にとどまっている。中枢神経系における加齢と脂質成分の関係については若干の成績はあるが,末梢神経系についての考察はきわめて乏しいのが現況である。
一方加齢については,発育期,成熟期,老年期といった長期にわたる期間を対象にしたもの,発育期に限って細胞増殖,軸索や棘細胞の成長,myelinationなど組織学的所見を基準にした変化の激しい発育途上の加齢について考察を加えたものに大別される。
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