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特集 神経病理(第13回日本神経病理学会学術研究会より)
一般演題
Myotubular Myopathyの1例—組織化学的および電顕的研究
A case of myotubular myopathy: Histochemical and ultrastructural studies
三田 哲司
1
,
満留 昭久
2
Tetsuji SANTA
1
,
Akihisa MITSUTOME
2
1九州大学医学部神経内科
2九州大学医学部小児科
1Department of Neurology, Neurological Institute, Kyushu University
2Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.346-354
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903503
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I.はじめに
1966年,Spiroらは,中心核の増加を特徴とし,myotubesに類似した筋病理像を示す先天性ミオパチーの1例を報告した1)。その後,Sher2),Coleman3),Kinoshita4),Wijngaardens5),Campbell6),Bradleg7)らによって類似の筋病理像を示す症例が報告された。報告例の臨床像は様々であり,生検筋の所見も個々の症例において,完全な組織化学的,および竜顕的報告がなされておらず,完全な比較は困難である。中心核の増加という共通した所見以外は完全な一致をみない。比較的共通の特徴と考えられる,clear spaceあるいは,空胞の存在についても,その微細構造の詳細な報告は少なく,これらの症例が一つのentityとして考えうるかどうかは,今後の問題であると考える。最近,私どももいわゆるmyotubular myopathy,すなわち,中心核の増加,clear spaceの存在など,myotubesに類似した筋病変を主徴とした1例を経験した。その生検筋の組織化学的および電顕的観察を行ない,その筋病理像に興味ある所見を得たので,その筋病理像について,報告例と比較検討を加えmyotubular myopathyの本態について,若干の考察を加える。
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