論述
骨軟化症におけるmyopathyの症状とその電顕像
広畑 和志
1
,
石川 斉
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.992-1001
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904622
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はじめに
最近に至つて整形外科領域においてもいわゆるmyopathyに対する認識が高まり,その分類の必要性が強調されている,しかし本邦では臨床的に症例を具体的にとり挙げて病理組織所見などの裏付けをもつて論じた報告はほとんど見当らない,著者は今回,骨軟化症におけるmyopathyについて記述するが,この2症例の臨床症状や治療経過については石川および著者等により既に報告されたものである(臨床整形外科第6巻第11号).既述したごとく骨軟化症ではレ線に骨格の変形が未だ現れない初期においてしばしば筋原性または神経原性筋疾患と誤診され易い種々の臨床症状が現れているものである.
そこで著者は今回前述の2例の大殿筋,中殿筋に対してそれぞれ筋生検を施行して興味ある微細構造の変化を認めたので臨床症状,臨床検査所見などを参考にしながら骨軟化症における筋肉の系統的変化と臨床的意義について考察したい.
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