Japanese
English
特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:錐体外路系研究における神経薬理の進歩
Parkinsonismにおけるカテコールアミン代謝について—L-DOPA連続投与時のドーパミン代謝について
Catecholamine metabolism in Parkinsonism: L-DOPA therapy and dopamine metabolism in Parkinsonism
沢見 和郎
1
,
伊藤 忠雄
1
,
吉田 茂
1
Kazuo SAWAMI
1
,
Tadao ITOH
1
,
Shigeru YOSHIDA
1
1大阪府立成人病センター(内科)
1Center for Adult Disease,Osaka
pp.177-185
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903487
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
パーキンソン氏病(以下P-氏病と略す)で錐体外路系の中枢におけるDopamine(以下DAと略す)含有量が正常者に比し,著しく減少していることが明らかになって以来1,2),これの治療にDAの先駆物質であるL-DOPAの投与が広く試みられるようになった3)。L-DOPA投与により脳内のDAレベルが上昇するとの報告4)もあり,また臨床的効果の劇的なものがある5)。著者らもL-DOPA治療を行ない著効を得た例は数多く6),従来より行なわれてきたAnticholinergic agentsの内服や,定位脳手術と並んで今後ますますその適応範囲も拡大されることとなろう。しかし反面,L-DOPAが生物学的作用物質であるカテコールアミン(以下CAと略す)の先駆物質である以上,たとえ元来生体内に存在する物質であるとはいえ,DAを中心としたアミン代謝は問題とならざるを得ない。以上のことより著者らはL-DOPA大量長期投与時のDAを中心としたCA生成およびその代謝酵素,すなわちDOPA脱炭酸酵素,DA-β-酸化酵素,Monoamine oxidase(以下MAOと略す),Catechol-O-methyltransferase(以下COMTと略す)などの推移について検討するとともに,経口,非経口投与時のL-DOPAおよびCAの生体内消長を見るためin vitroにおけるL-DOPAの腸管における吸収や血清中,脳内のレベルを検討した。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.