Japanese
English
綜説
カテコールアミン代謝と循環系
Catecholamines metabolism and cardiovascular system.
宮原 光夫
1
,
飯村 攻
1
,
森 侊三
1
,
星川 弘紀
1
,
藤瀬 幸保
1
Mitsuo Miyahara
1
,
Osamu Iimura
1
,
Kozo Mori
1
,
Koki Hoshikawa
1
,
Yukiyasu Fujise
1
1札幌医科大学宮原内科
1Dept. of Internal Medicine, Sapporo Medical College.
pp.287-295
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201577
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はじめに
アドレナリン,ノルアドレナリン等のカテコールアミンは,一方には副腎髄質ホルモンとして,他方交感神経末端の化学的伝達物質として,生体が正常な機能をいとなむ上にきわめて重要であり,なかでも循環機能の面で果す役割は大きい。その薬理作用については古くより多数の報告がなされて来たが,近年化学的微量測定法が漸次確立されるとともに,生体内の代謝過程に関する研究は急速に進展した。そして尿中,血中,組織内のカテコールアミンや,その前駆物質,代謝産物の定量に基づき,さらにはアイソトープの導入によって,生理的もしくは病理的な状態下での意義が次第に明白となるに至った。
本邦におけるカテコールアミンの研究者としてもっとも古く,また現在に至るも指導的立場に立っておられるのは阪大薬理学の今泉教授であるが,教室でもはじめに同教授の懇篤なる御指導をいただいてより,臨床の立場から研究を行なって来た。本文の主題である循環系との関連では,すでに心筋代謝1),冠動脈疾患2),動脈硬化3),高血圧4),低血圧5)におけるカテコールアミンについて内外の知見と教室における研究結果とを論述した。本文では,でき得る限り,これとの重複をさけ,血圧異常,心疾患,甲状腺機能亢進症,adrenergic receptorの諸問題をとりあげて綜説するとともに,紙上には未発表の著者等の成績にふれたい。
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