今月の主題 心不全の動向
心不全の治療
ドーパミン
藤田 達士
1
Tatsushi FUJITA
1
1群馬大学医学部・麻酔学
pp.236-237
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217038
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ホルモンとしてのドーパミン
1963年Goldbergらがノルアドレナリンの前駆物質であるドーパミンを4例の「うっ血性」心不全患者に投与したところ,Na利尿を得て,治療効果があることを報じた.今日では「うっ血性」心不全の治療に不可欠の薬物となっている.
出血などで血圧が下降すると副腎静脈中に多量のノルアドレナリン,エピネフリンとともにドーパミンが放出される.ノルアドレナリンの前駆物質であることよりも,むしろ積極的にβ刺激作用を発揮し,腎血流を保ち,腸間膜血流を増して肝や膵臓および腸管からのショック物質洩出を防ぐという生体防御反応を荷っている.
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