Japanese
English
総説
ドーパミンの生合成と代謝
Biosynthesis and Metabolism of Dopamine.
永津 俊治
1
Toshiharu NAGATSU
1
1愛知学院大歯学部生化学
1Department of Biochemistry, School of Dentistry, Aichi-Gakuin University
pp.1249-1260
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203810
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I.神経伝達物質としてのドーパミン
ドーパミン(dopamine,DA)は,ノルアドレナリン(noradrenaline,NA,ノルエピネフリン,no—repinephrine,NE),アドレナリン(adrenaline,A,エピネフリン,epinephrine,E)と共にカテコールアミン(catecholamine,CA)と総称され,カテコール核とフェニルエチルアミンまたはフェニルエタノールアミン側鎖をもつ生体アミンの一種である(第1図)。DAは脳内DAニューロンに,NAは脳内NAニューロンと末梢交感神経のNAニューロンに,Aは脳内Aニューロンに,それぞれ神経伝達物質として局在すると推定されている。Aは副腎髄質のホルモンでもある1)。第1図に示すようにDA,NA,Aの三種の生体内CAはアミノ酸のチロシン(Tyr)より,Tyr→ドーパ(DOPA)→DA→NA→Aの径路で生合成されるので,一連の生合成径路の上にある。
DAは1958年頃に,Carlssonら2)によつて脳内錐体外路系に局在することが発見され,佐野3)らはヒト脳でDAの錐体外路系における分布を発見した。その後螢光組織化学法によつて脳内CAニューロンの分布が明らかとなつた4)。DAニューロンは,
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