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特集 慢性進行性神経疾患・Ⅱ
遺伝
高アラニン・ピルビン酸血症—Leigh脳症との関連
Hyperalaninemia with pyruvicemia: with reference to Leigh's encephalomyelopathy
多田 啓也
1
Keiya TADA
1
1大阪市立大学医学部小児科教室
1Dept. of Pediatrics, Osaka City Univeristy Medical School
pp.1048-1053
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903456
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スクリーニング法の普及により発見されたアミノ酸代謝異常症の数はすでに50近くに及んでいる。これらのアミノ酸代謝異常症には多かれ少なかれ中枢神経症状を伴うものの多いことが一つの特徴とされている。これらの疾患は病態代謝の面ではかなりの知見が集積されているが,脳の病理組織学的所見に関してはまだあまり知られていない。しかし,たとえばフェニルケトン尿症や楓糖尿症の剖検例では小頭症,髄鞘形成不全,白質の海綿様変化などの所見が記載されており,かかる代謝異常の存在が発達期の脳に重大な影響を与えることが推測される。
一方,慢性進行性神経疾患ないし変性性神経疾患と呼ばれるgroupの疾患の多くは,剖検による脳の病理組織学的所見を基盤として疾患カテゴリーが形成されているため,生前の確定診断が困難なものも少なくなく,したがってその病態の生化学的検索は一部のリポイドーシスを除いてはほとんど行なわれていない現状である。
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