Japanese
English
特集 慢性進行性神経疾患・Ⅱ
遺伝
神経疾患の医療における遺伝と環境
Interrelation of genetical and environmental factors in neurological disorders
有馬 正高
1
Masataka ARIMA
1
1鳥取大学医学部脳神経小児科
1Section of Child Neurology, Tottori University School of Medicine
pp.1008-1013
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903451
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先天性神経疾患の臨床における遺伝と環境
人間の体質や健康状態が遺伝と環境の相互作用によって規定されることは誰しも認めていることである。遺伝と環境が受持つ役割を認識することは,先天的疾患の診療の場合にとくに必要である。これは,治療だけでなく,発病を予防しようとしたり,遺伝相談によって患者が生まれるのを防ごうとする場合にも不可欠な情報であるからである。しかし,個々の患者の具体的な問題に直面した場合,どこまでが遺伝で規定され,どこからが環境の作用でおこったかを明らかにすることは必ずしも容易ではない。現在のわれわれの知識はきわめて限られているが,本稿においては,筆者が先天性神経疾患の医療のなかで,遺伝と環境との関連において経験したいくつかの事例をとり上げ,その解析と臨床的応用,ならびに,今後の問題点についてのべる。
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