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特集 慢性進行性神経疾患・1
ウイルス
Slow Virus感染症
Slow virus infection
石田 名香雄
1
Nakao ISHIDA
1
1東北大学医学細菌学教室
1Department of Bacteriology,Tohoku University School of Medicine
pp.783-792
発行日 1972年10月10日
Published Date 1972/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903429
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1960年代は細胞レベルのウイルス学と分子レベルのウイルス学がその繁栄を謳歌した時代であった。もちろんこの二つのジャンルの学問が1970年代に至って終焉を告げたわけではないが,この二つの学問の理解を基盤に,個体レベルのウイルス学に,人びとが真正面から取り組み,しかもいささかの泥くささとか曖昧さを残さぬ方法で個体レベルのウイルス学を記載しようとする雰囲気が生まれつつある。分子レベルの知識を総和しても決して細胞レベルのウイルス学が構築されなかったと同様に,細胞レベルのウイルス学の総和は決して個体レベルのウイルス学の誕生を意味しない。個体レベルのウイルス学の新しい指導理念は果たして何処にあろうか。このような模索の過程にあっていつもわれわれに何かを話りかけているのがslow virus感染症ではあるまいか。
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