Japanese
English
特集 第7回脳のシンポジウム
主題—グリア細胞
グリア細胞—生理学より
Physiological aspects of glial cell
菅谷 英一
1
Eiichi SUGAYA
1
1神奈川歯科大学生理学教室
1Department of Physiology, Kanagawa Dental College
pp.87-93
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903352
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
グリア細胞の存在が,Virchowにより確認されてからすでに一世紀以上たつが,この細胞の機能的意義に関してはよく知られた髄鞘形成以外はまだ完全に確立したものはないといつてよいだろう。神経化学の領域ではHyden一派の巧妙なMicrotechniqueの駆使により一つのエポックを開いた感があるが,生理学,特に電気生理学の方面からのアプローチはTasakiら26),Hildら4)による組織培養によるグリアを用いての研究が現われるまでなりをひそめていたといえよう。そして最近に至り特別なグリアをもつ動物を用いてのKuffler一派10)の研究が出るに及んでグリアの意義あるいはニューロンーグリア相関といつたものの生理学が初めて具体的な姿でわれわれの目の前に現われてきた。さらに温血動物のグリア細胞についてもようやく研究が,始められた段階にすぎない。
ここでは温血動物のグリア細胞について私どもが行なつてきた実験を主として述べてみたい。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.