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はじめに
グリア・フィラメントはアストロサイト(astrocyte,星状膠細胞)に特異的な線維成分である。アストロサイトは多数の長い突起を有し,星形の様相を呈する。その細胞体および突起内にはグリア・フィラメントが集合束をなして分布しており,これによって,アストロサイトを同定することができる31,33)。
細胞骨格(cytoskeleton)は,一般に,細胞を構造的に支持する細胞質要素と定義できる。細胞骨格という概念は非常に漠然としたものであるが,この骨格により,細胞の非対称的外形が維持され,細胞内部でもオルガネラなどの分布が規制され,細胞に構造上および機能上の極性が与えられることになる34)。細胞骨格の主な構成要素として,形態学的に次の3種の線維性構造が挙げられる。直径約24nmの微小管(microtubule),直径約6nmのミクロフィラメント(microfilament),およびその中間の8〜10nmの中間径フィラメント(intermediate filament,または10nm filament)がそれである。さらに,最近になって,細胞質基質の形態が分析され,微細な線維性網目(microtrabecular lattice)が存在することが主張されている34,46)。この網目も細胞骨格の範疇に含められ,また,細胞膜を支持する裏打ち構造も細胞骨格の一種といえる22)。
The pattern of distribution of glial filaments in astrocytes is described and discussed in the light of their role as a cytoskeleton. The cytoskeleton may tentatively be defined as the intracellular elements which structurally support the cell. The major cytoskeletal elements are microtubules, actincontaining microfilaments and intermediate, 10-nm filaments. The glial filament is included in the category of intermediate filaments.
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