Japanese
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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—日本における神経化学
シナップス膜およびシナップス小胞の生化学研究
Biochemical Studies on Synaptic Membrane and Synaptic Vesicle
吉田 博
1
,
松田 友宏
1
,
斉藤 喜八
1
Hiroshi Yoshida
1
,
Tomohiro Matsuda
1
,
Kihachi Saito
1
1大阪大学医学部第一薬理学教室
1Dept. of Pharmacol., Faculty of Medicine, Osaka University
pp.337-346
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903243
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Ⅰ.まえがき
神経機能,精神活動は究極のところニューロンの持つ機能といえる。ニューロンの持つ機能を大きく分けるとaxonでの伝導とシナップスでの伝達とであり,微妙な調節は主に後者のシナップスでの伝達の過程でなされていると考えるのが妥当であろう。記憶の問題など高次の精神活動を理解する手がかりもシナップスの研究から得られる可能性が大きい。
シナップスについての研究は従来,もつぱら電気生理学的方法でなされてきたのであるが,10年余り前からWhittakerあるいはDe RobertisらによりAch(アセチルコリン)を指標として脳ホネジネートから神経末端分画を蔗糖密度勾配遠心法で分離することが可能となり,これをnerve ending fractionあるいはsynaptosomeと呼んでいる1〜11)。
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