Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題—情動と自律神経・内分泌機能
体内時計と内分泌リズム
Biological Clock and the Endocrine Rhythm
本多 裕
1
Honda Yutaka
1
1東京大学医学部精神神経科教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.203-207
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903125
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
従来人間の生体リズムの中,明暗,気温,温度など外界の因子と一応独立して自律的なリズム現象を営んでいるとされているものには,睡眠,下垂体一副腎皮質機能,体温などがあげられる。これらの基本的なリズム現象は,いずれも中枢神経系にその源があると考えられ,いわば体内時計と呼ぶことができよう1,2,9)。しかしこれらの基本的体内時計相互の関連性および他の種々の内分泌,自律機能のリズムとの関係は,今日なお十分解明されていない。
多くの精神神経疾患の症状が季節的,周期的変動を示し,また1日の中でも朝と夕方とでは症状に変化が起ることはしばしば経験される4,11)。すなわち精神神経疾患の病因および症状形成の上で,生体に基本的なリズム現象の障害が関与している可能性が考えられる。われわれは精神神経疾患について,いくつかの体内時計を同時に測定し.また1日のみの測定では外界因子の影響がありうるためリズムの恒常反復性を確認することが困難であると考え,数日間連続して測定を行ない,日周期リズムとしてとらえてみた。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.