Japanese
English
綜説
体内時計と心血管疾患
Circadian Rhythm and Cardiovascular Disease
錦戸 利幸
1
,
野出 孝一
1
Toshiyuki Nishikido
1
,
Koichi Node
1
1佐賀大学医学部循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Saga University
pp.61-66
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102388
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はじめに
体内時計とは,時計遺伝子群の転写活性がポジティブ・ネガティブフィードバックループを介した分子メカニズムによって,約24時間周期の変動で生み出される恒常環境下での概日リズムのことである.この概日リズムは循環動態を含めた生命活動を維持するための適応機構であり,急性心筋梗塞・不整脈・心臓突然死といった心血管疾患の発症においても日内変動がみられることは複数の報告によって明らかにされている.現代社会は概日リズムを攪乱させる環境であり,そのなかでの生活リズムの乱れが心血管疾患の発症や進展の要因となっている可能性が懸念されている.循環器疾患と時計機構は密接な関連が推定されており,概日リズムを考慮した疾患への理解と治療が重要になると考えられる.
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