徹底分析シリーズ 体内時計
体内時計:その時計はクオーツ?それとも振子?
木下 千智
1
,
中木 敏夫
1
KINOSHITA, Chisato
1
,
NAKAKI, Toshio
1
1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.2-22
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101110
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[体内時計とその歴史]
●体内時計とは
地球上では,1日は24時間である。ほとんどの人は,よほど不規則な生活をしていないかぎり,朝眠りから覚め,昼間に活動し,夜になったら眠るという周期で,1日24時間を過ごしている。このような昼夜のサイクルに合わせたリズム1)は,睡眠覚醒リズムだけではなく,生物機能維持のために重要な機能(脳波,ホルモン分泌,細胞分裂,体温調節,血圧など)にもあることが知られている。
このような約24時間周期のリズム(概日リズム)は,私たちのカラダにある体内時計によって制御されている。この体内時計は,バクテリアからヒトに至るまで,ほとんどすべての生物が持っており2),進化の過程において,人が現れるずっと以前,初期の生物からすでに獲得していた,と考えられる。
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