Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題—情動と自律神経・内分泌機能
各種ストレスと視床下部のACTH放出因子(CRF)
Variation of Corticotropin-releasing Activity in the Hypothalamus after Various Stimuli and its Physiological Implications
広重 力
1
Tsutomu Hiroshige
1
1北海道大学医学部第一生理学教室
1Department of Physiology, Hokkaido University School of Medicine
pp.178-184
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903122
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人体ならびに高等動物にみられる2大調節機構である神経系と内分泌系がいわゆる神経内分泌協関によつて統合されていることは周知の事実である。なかでも中枢神経系と内分泌系の主座を占める下垂体前葉との協関は神経内分泌学の中心テーマの一つとして大きな関心が寄せられて来た。ACTHの分泌調節に関しても多様なストレスに呼応して中枢神経系は種々の影響をACTH分泌に及ぼしているが,その最終共通路である視床下部の向下垂体液性因子すなわちACTH放出因子(CRF)の動態は一つの要としてきわめて注目されるわけである。CRFについては化学的本態や検定法およびその特異性などがまず問題になるわけであるがすでに他の機会にのべたので(広重,1967,1968)必要に応じて簡単にふれるにとどめ,今回は種々の実験条件下でのラット視床下部組織内CRF量の変動をとりあげその生理的意義について自分たちの実験成績を中心にのべてみたい。
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