一頁講座
Rosette Forming Cell(RFC)
設楽 篤幸
1
1新潟大学皮膚科
pp.1026
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201242
- 有料閲覧
- 文献概要
1956年Glickら1)はトリのFabricius嚢を新生期に摘除すると体液性免疫不全の起ることを,また1962年Jankovicら2)は新生期ラットの胸腺除去が細胞伝達性免疫の発達を著明に抑制することを観察した.その後Cooperら3)はトリにおいてcell mediated immunityとhumoral immunityとは明確な分離があり,前者は胸腺が,後者はFabricius嚢がそれぞれ中枢的役割を果していることを明瞭に証明した.これらのことから特異的免疫反応を演ずる免疫担当細胞には2種類の細胞集団があることがわかってきた.その1つはFabricius嚢の影響下に幹細胞から分化を遂げた細胞集団でbone marrowderived cell(B-cell)と呼ばれ,抗体や免疫グロブリンを合成,分泌する能力をもつている.もう1つは胸腺の影響下で幹細胞から分化を遂げる細胞集団でthymusderived cell(T-cell)と呼ばれ,移植免疫,癌免疫,遅延型過敏症などのいわゆる細胞伝達性免疫の主役を演じるものである.
しかしこれらB-cell,T-cellがまつたく独立して免疫機構に関与しているのではなく,ある場合には協同作用が営まれていると考えられている.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.