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特集 脳のシンポジウム
主題—情動と自律神経・内分泌機能
扁桃核手術の長期予後について
Long Term Results of Stercotaxic Amygdalotomy
楢林 博太郎
1
Hirotaro Narabayashi
1
1順天堂大学医学部神経学教室
1Dept. of Neurology, Juntcndo Med. School
pp.169-177
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903121
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扁桃核手術の最初の例は1958年12月に手術が行なわれ,現在術後約10年を経ている。この手術は本来,器質性素因によるヒトの情動面の異常,ことにその異常な昂進した状態と考えられる,落ちつきのなさ,易怒性,昂奮,乱暴,暴行などに対して,脳外科的に治療の手を試みるものとして始められた。したがつて精神外科の一つの手技として出発したのであるが,約100例について手術後数か月ないし10年の経過を追求,観察して来た過程には,本来の精神的側面における効果,病像の変化のほかに,脳波上,また,てんかん患者でのけいれん発作等に対して本手術のもつ意味も検討されてきた。
前に(Confinia Neurologica 27,1966)1),最初に(1963)Archives of Neurology2)その他3,4)に発表した60例についての長期予後報告は発表してあるので,今回は主として,てんかん性素因との関連についてのべてみたい。ここに報告する例は前回の60例を除き,それにつづく第61例より100例にいたる40例についてであり,1962年9月より1968年8月の間に手術された症例についてである。
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