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霊長類では,相手の心的状態を知ることが複雑な社会生活で重要となった。表情は相手の情動を知る重要な手がかりである。表情認知には,高度に処理された視覚情報が必要である。扁桃核は,皮質で高度に処理された感覚情報を受け,情動価値の評価を行っていると考えられる。表情認知を担う脳部位の候補にあげられる。両側性に扁桃核を破壊されたサルは,視覚対象の情動的価値が評価できない。また,サルの扁桃核にはある表情に応答するニューロンが存在する。ヒトでも,扁桃核が両側性に損傷された患者は,表情認知の障害を示す。PETやfMRIを用いた研究で,恐怖の顔や笑顔を見せたときヒトの扁桃核の応答が示されてきている。これらの結果は,表情認知における扁桃核の役割を示唆する。しかし,いくつかの研究結果は,扁桃核だけがでなく,帯状回などの辺縁皮質さらには頭頂葉皮質なども表情認知に関与していることを示唆する。
Facial expressions of emotion are of importance in primate social behaviors. To recognize facial expressions, highly processed visual information is required. Among the structures in limbic system, which has been implicated in emotional functions, the amygdala is suited to be involved in processing facial expressions. The amygdala receives visual inputs from inferotemporal visual area TE. Bilateral removal of the monkey amygdala leads to a variety of abnormal behaviors, such as hypersexuality, oral tendency, and psychic blindness.
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