Japanese
English
特集 シナプス Ⅲ
抑制シナプス
Inhibitory Synapses
内薗 耕二
1
Koji Uchizono
1
1東京大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.838-864
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903088
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Ⅰ.抑制神経
一般に神経は刺激によつて興奮をおこすものと考えられている。たしかに骨格筋支配神経を刺激すれば筋肉は収縮する。しかし心筋においては事情はこれと多少異なつてくる。心臓支配神経のうち,交感神経を刺激すれば心臓の活動は高まり心筋の収縮は強化され,心搏動の頻度も増大する。一方,迷走神経を刺激すればこれと全く逆の現象がおこる。すなわち心筋の収縮は弱まり,心拍動の頻度は減少し,ついには心撞動は停止するにいたる。
迷走神経のこのような抑制作用を最初に記述したのはWeber兄弟(1846)であるが,同様の抑制作用がカエルの脳の刺激によつておこることをSetchenov(1863)も記載している。
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