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I.未知の神経系機能分子の検索
1.神経研究と細胞表面機能分子脚注
脳神経系のもつ複雑な機能と構造を分子レベルで理解していこうとする分子神経生物学にとって,これからの課題は「いかに新しい機能分子,新しい分子メカニズムを発見するか」にある。脳の複雑な細胞構築が,発生分化の過程でどうしてあのように巧みにつくり上げられるのであろうか。特定のニューロンとニューロンのシナプス形成の特異性はどのように決められているのであろうか。神経伝達物質は一体どんな分子メカニズムで放出されるのであろうか。記憶に関係するといわれるシナプスの可塑性はヒトの脳では本当のところどのような分子レベルの変化によるのであろうか。これらの現象の陰には,細胞膜やその周辺にある多くの未知の分子(molecula incognita),未知の分子メカニズムが隠されているはずであるが,われわれはまだそのほとんどを知らない。
一方,脳内で発見された既知の分子についても,その分子構造までがわかっていても,実際の脳神経系でその分子がどのような働きをしているかとなると,まったく機能がわからなかったり,間接的な証拠しかない仮説のまま,手がつけられていない例が非常に多い。
Some monoclonal antibodies directed to an antigen molecule can block or change a specific function of the antigen. Such antibodies as specific neurotoxins, are useful tools to explore unknown functional molecules in the nervous system. We have developed a "two-step screening method" to obtain monoclonal antibodies whose antigens are located on the cell surface which are involved in various synaptic functions. From a library of monoclonal antibodies against cell surface antigens of PC-12 cells, we screened out a monoclonal antibody which inhibited synaptic transmission in rat superior cervical ganglion.
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