ご存知でしょうが
シナプス化学伝達物質とアミノ酸
内薗 耕二
1
1東大医学部生理学教室
pp.300
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204036
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シナプス伝達は化学伝達であることが,ここ50年近くの研究でかなりはつきりわかつて参りました。Sherr—ingtonの考えた神経の継ぎ目の生理学的,神経薬理的,神経化学的側面が,新しい方法によつて続々と解明されてきております。一方,形態学的研究もいちじるしく進歩し,シナプスの超微形態学側面の解明もめざましく進んでおります。
この方面の50年の歴史の中にはドラマチックな発見が少くありません。まず想い出されるのがDaleやLoewiの心臓神経に関する研究です。neurohumorの概念がこの辺から次第々々に確立されて参ります。神経は信号を運ぶ電気活動の外に,その末端から一種の化学物質を遊離していることが明らかにされて参りました。一方では,神経系の中の信号系としての機能の外に特殊な任務をもつた神経細胞の存在することが明らかにされました。神経ホルモンがこれで,この方面の研究はneu—ro-endocrinologyとして独立の分野を形成するに到つております。
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