Japanese
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特集 シナプス Ⅱ
末梢神経終末の変性と再生—形態と機能の関連性を中心にして
Degeneration and Regeneration of the Peripheral Nerve Ending with Special Reference to the Correlation between Fine Structure and Function
小西 昭
1,2
,
岡本 道雄
1
,
一木 正則
2
,
深見 安
2
Akira Konishi
1,2
,
Michio Okamoto
1
,
Masanori Ichiki
2
,
Yasushi Fukami
2
1京都大学医学部解剖学教室
2大阪医科大学生理学教室
1Department of Anatomy, Faculty of Medicine, Kyoto University
2Department of Physiology, Osaka Medical College
pp.786-802
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903083
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Ⅰ.緒言
神経終末が変性あるいは再生する場合に形態的,機能的にいかなる変化が起るのか,さらに形態的変化と機能的変化の相関関係を明らかにすることは可能であろうか。この問題の解明には同一の神経終末を対象にした形態,機能両面からの研究が必要である。各種の神経終末について普遍的な法則を見出すことはおそらく不可能であろうが,一例として爬虫類筋紡錘の感覚神経終末で得られた微細構造上および電気生理学的なデーターを中心に検討を加えよう。
神経線維を切断または挫滅した時,傷害部より末梢側の変性(Waller変性)は軸索と神経終末のいずれが早いであろうか。もし軸索の伝導が先に阻害されれば神経終末の機能的変化の追求はきわめて困難になる。形態的には神経終末の変化が先行すると報告されており3,17),さらに直接的な証拠として電気生理学的に神経終末の機能が消失した時期においても,神経線維のインパルス伝導は阻害されていないことが明らかになつている5,33,38)。
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