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Ⅰ.緒言
周知のごとく,脊髄前角細胞,脳神経運動核の細胞のように軸索の大部分が末梢神経系に属する神経細胞は軸索を切断しても再生し得るに反し,Betz細胞,外側膝状体の細胞あるいはClarke細胞のように軸索が全走行にわたり中枢神経系内に留まるものは軸索切断後もはや変性から回復し得ず,ついには消滅してしまう。後者に属する神経細胞が再生し得ない理由の一つとして,軸索切断部位に形成される結合組織あるいはグリア細胞による障壁によつて断端から一旦新生した突起の伸長が阻止される点が注目され,従来哺乳動物中枢神経系の再生を目指す研究の多くは傷害部位における瘢痕形成の抑制あるいは除去に多大の努力を払つており,実際ある程度の成果が得られて来ている26,40,41,45)。しかし,これらの研究に共通している点は起始細胞,すなわち傷害部位に線維を送つている神経細胞の状態についてはほとんど記載がなく,したがつてこれらの細胞が軸索切断部位において瘢痕形成がある程度抑制された後変性から回復しているか否かは全く不明なことである。これらの研究は,軸索切断後変性した神経細胞が再生するためには障害された神経細胞とその効果器との結合が再建されることが先決であるとの考えに基づいているように思える。
Brain tissue culture may be regarded as an injury exeriment since brain tissues are excised at explantation into small fragments and the neurons therein suffer from axonal severance.
Using the mouse cerebellar cortex of varying age, a study was made on the influence of maturation of neurons in vivo upon their regenerative capacity in culture.
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