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特集 シナプス Ⅱ
上丘における二次変性—電子顕微鏡による研究
Wallerian Degeneration in the Superior Colliculus: An Electron Microscope Study
高橋 武子
1
,
大谷 克己
1
Takeko Takahashi
1
,
Katsumi Ohtani
1
1千葉大学医学部第3解剖学教室
13 rd Department of Anatomy, Chiba University, School of Medicine
pp.777-784
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903082
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I.はじめに
末梢神経における二次変性については,光学顕微鏡のみならず,さらに電子顕微鏡に基づく所見がつけ加えられて著しく詳細になつた(Vial '5814),Honjin et al. '594),Honjin et al. '625),Ohmi '6110),Webster '6215),Lee '636))。しかしながら,そこで得られた結果をただちに中枢神経系にあてはめるわけにはいかない。なぜなら,神経線維を囲む細胞,すなわち中枢神経系のグリア細胞と末梢神経のシュワン細胞では性質が異なるので,これが二次変性にも当然影響してくると推測されるからである。ところで,中枢神経におけるこの方面の研究では,興味が主としてニウロンの結合関係に置かれたため,神経線維の終末部の観察に重きが置かれ,その神経幹部については少ない(Hasan et al. '673))。私どもは,先にラットを用い,視神経の切断ないし視覚領の剥離によつて上丘で生ずる神経終末部の変性について記載11)したが,さらに神経幹部の変化についても調べ,若干の知見をえたので,これを報告する。
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