Ⅳ私の研究
筋無力性眼筋障碍の病機に關する臨床的考察—特に眼筋無力症とBasedew氏病,Parkinsonismus及びHystherieとの交渉に就て
掛下 勉
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1千葉醫科大學眼科學教室
pp.168-171
発行日 1948年8月20日
Published Date 1948/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200266
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數年來,私は筋無力性眼筋障碍の研究をして來たのであるが,其の間,同時に我々の教室を訪れた神經系疾患既ちBasedow氏病,Par-kinsonismus (以下「パ」と略す) Hystherie等の患者をも擔當して研究對象としてゐたので,其等と比較研究することにより,未だ未知なるMyasthenieの本態,其の病症發現の機轉に就いて檢討を加へてみた。此れは周期律を應用して未知元素を發見せんとする研究法と似てゐるかも知れない。實驗は專ら患者自體に就き臨床的に行ひ,長期間に渉り觀察實驗を反復して得た結果を論據とした。
此の筋無力症「パ」Basedow氏病,Hystherie等は眼神經學的觀點よりすれば,錐體外路性障碍に植物性神經障碍の合併と見做すべき一つのKategorieに入るのであるが,此れは單なる錐體外路とか植物神經のみに止らず,更に廣い意義を含み,全髄を綜合して一つの病症名を附して可なりと考へ得らるる程に連絡交渉あるものである。
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