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特集 第1回国際神経科学会展望・2
脱髄疾患の病理
Charles E.Lumsden:人間の多発硬化症と実験的無酸素症性および中毒性脳白質症との神経病理学的関連性
Neuropathological relationship of multiple sclerosis to human and experimental toxic and anoxic encephalomyelopathies.
原田 憲一
pp.660-666
発行日 1958年4月30日
Published Date 1958/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901638
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著者は多発硬化症や,汎発硬化症と似た二次性の脱髄過程のうちで,いろいろな病因的な機構(pathogenic mechanism)をのべようとしている。
ともかく原因や性質がなんであれ,白質の損傷はミエリンを染めだすことによつて示される。そしてその際,蒼白化されて染めだされる像として反映されるという発見が重要で,このいわゆる"plaques simulatrices"(見せかけのプラック)が,多くの疾患で報告されるようになつた。たとえば肝疾患の中毒性脳症,尿毒症,子癇,赤痢,ポルフィリン尿症など,また無酸素症(先天性心疾患で慢性のチアノーゼのあるもの,貧血,脳マラリア,脂肪または空気栓塞)などである。
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