Modern Therapy 新生児脳障害の初期管理
無酸素症性脳症
工藤 尚文
1
,
岸本 廉夫
1
,
鵜飼 史貴
1
Takafumi Kudo
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.673-679
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206307
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胎児・新生児仮死の診断,治療の目ざましい進歩により,重症仮死児の頻度は減少してきたが,依然として胎児・新生児仮死は周産期における新生児死亡の主要原因である。また,たとえ蘇生救命し得たとしても,脳性麻痺,精神薄弱,てんかんなどの恒久的な中枢神経障害を惹起し,児の長期予後を悪化させることはよく知られた事実である。
これらは周産期仮死の主要病態である無酸素症により生じた代謝障害により,著しい発達段階にある脳の発育に大きな影響を与え,無酸素症性脳症が発症したものと考えられる。しかし,その本態については,不明な点が多く,有効な治療法の確立も十分なされていないのが現状である。
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