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特集 第1回国際神経科学会展望・2
脱髄疾患の病理
Torben Fog:多発硬化症と汎発硬化症およびその他の人のleucoence-phalopathiesとの神経病理学的な関連性
Neuropathological relationship of multiple sclerosis to diffuse sclerosis and other human leucoencephalopathies (Leucodystrophies).
中久 喜雅文
pp.655-660
発行日 1958年4月30日
Published Date 1958/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901637
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この疾患の病因論,病理学,臨床などに関する意見は区々であるが,しかし神経病理学的問題が常に研究の焦点になつている。最近の文献でも,剖検して立証された症例のみをみとめる傾向が明らかで,その結果変なことだが,最も稀なこれらの症例が,最も完全に研究されているのである。PoserおよびBogaertによると,現在までに解剖学的に証明された汎発硬化症の236例が報告されている。最近の研究者は,汎発硬化症を二つのグループに分類することに意見が一致している。つまり汎発硬化症とleucodystrophyである。最近のPoserとBogaertの論文から,重要な点だけを引用すると次のようになる。
105例が汎発硬化症で,102例がleucodystrophy型であり,その他にいくつかの例がある(15例はPelizaeus-Merzbacher氏病,5例は中性脂肪dystrophy,9例は分類困難)。多発硬化症と汎発硬化症との間にある関連性を分析する場合,大抵の研究者はSchilder氏病と多発硬化症とは同じ疾患であるが,その現われ方がごくわづかにちがつているにすぎないと考えている。Poser,Bogaertらによると,Schilder氏病に属する105例のうち,33例はbilocular typeであつて,Schilderの最初のケースと同じく,みいだされた唯一の傷害は半卵円中心の大部分をふくむ両側対称性の脱髄巣であつた。
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