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特集 第1回国際神経科学会展望
神経病学に於ける意識
J. D. French:意識の問題に対する生理学研究室の寄与
Some contributions of the physiological laboratory to problems in consciousness.
時実 利彦
pp.477-482
発行日 1958年2月28日
Published Date 1958/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901617
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ここ10年間の脳生理学の分野で,「意識consciousness」の問題ほど多くの脳生理学者の関心を集めたものはないといってよい。一応は解決の見通しがついたとはいえ,まだ多くの重要な問題が未解決のままで残されている。しかし,現在も引続き世界各国の脳生理の研究室で真摯な研究が進められているから,必ずや近い将来には「情動emotion」の問題と共にその生理学的機序が明らかにされることであろう。
Magoun博士が主宰するロサンゼルスのカリフォルニヤ大学の解剖学教室では早くからこの問題について活撥な研究が行われ,数々の貴重な業績が発表されていることは周知のことであろう。この報告者のFrench博士は,この研究室に属層する有力なメンバーの一人であって,この研究室で彼及び彼の同僚達によつて現在までに行われた研究成果をまとめて解説したのがこの報告である。従つて,我々はこの報告によって意識の問題が生理学的にどのように展開されているか,そしてまた,現在研究の焦点がどの方向にむけられているかを概括的に知ることが出来るわけである。
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