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特集 第37回脳のシンポジウム
新しい遺伝子・細胞治療の確立―パーキンソン病の治療を目指して
神経栄養因子産生細胞の移植:神経疾患の治療を目指して
Intracerebral transplantation of neurotrophic factor secreting cells for the treatment of neurological disorders
伊達 勲
1
,
新郷 哲郎
1
,
大本 堯史
1
Isao DATE
1
,
Tetsuro SHINGO
1
,
Takcashi OHMOTO
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine and Dentistry
キーワード:
神経移植
,
神経栄養因子
,
遺伝子治療
,
パーキンソン病
Keyword:
神経移植
,
神経栄養因子
,
遺伝子治療
,
パーキンソン病
pp.782-789
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901427
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はじめに
パーキンソン病などの神経疾患に対して,脳内細胞移植という方法を用いて治療しようとする試みは,1970年代の後半から研究が行われてきたが,近年の分子生物学的手法の発達と神経幹細胞に関する研究の進歩により,今後さらに進展の期待される分野である。
脳内細胞移植の目的は,ドナー細胞からの神経伝達物質や神経栄養因子の宿主脳内への供給にある。特に,神経栄養因子を供給することによって,宿主の内因性の神経系を保護したり,回復を促進する方法は,内因性の神経回路の再構築をめざす方法であり,再生医学の観点からは,欠落した神経伝達物質を移植によって補う方法に比べて,より理想的ともいえるであろう。
One of the objectives of neural transplantation for neurological disorders is to deliver neurotransmitters or neurotrophic factors into the host brain. Neurotrophic factor delivery is considered more ideal because neuronal circuit reconstruction of the host can be expected by this method.
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