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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
神経栄養因子による脊髄由来神経幹細胞の分化制御―特に内因性神経栄養因子に着目して
Control Mechanism of the Fate of Phenotype of Embryonic Spinal Cord-derived Neural Stem Cells by Neurotrophic Factors
中村 雅也
1
,
岡野 栄之
2
,
戸山 芳昭
1
Masaya Nakamura
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾大学医学部生理学
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University, School of Medicine
キーワード:
neural stem cell
,
神経幹細胞
,
neurotrophic factor
,
神経栄養因子
,
differentiation
,
分化
Keyword:
neural stem cell
,
神経幹細胞
,
neurotrophic factor
,
神経栄養因子
,
differentiation
,
分化
pp.475-480
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903527
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抄録:神経幹細胞は多分化能と自己増殖能を有する未分化な細胞で,脊髄損傷に対する移植材料として近年注目を集めている.しかし,移植細胞の運命は移植部位の微小環境に大きく依存しており,近年明らかになった内在性神経幹細胞が脊髄損傷後に増殖,分化するがそのほとんどがグリア瘢痕組織になることからも,神経幹細胞の分化制御メカニズムの解明なくしては,有効な治療とはなり得ない.本稿では神経系の発達過程において重要な働きをする種々の神経栄養因子が,神経幹細胞,特に胎児脊髄由来神経幹細胞の分化誘導に及ぼす影響を検討した.In vitroにおける胎児脊髄由来神経幹細胞に対して,内因性cilary neurotrophic factorがastrocyteへ,外因性brain derived neurotrophic factor,neurotrophin-3がおのおのneuron,oligodendrocyteへの分化誘導に重要な働きをする.
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