Japanese
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連載 脳神経外科における再生医療―臨床応用にむけて(5)
成体由来神経幹細胞の自家移植
Autologous Transplantation of Adult Derived Neural Stem Cells
新郷 哲郎
1
,
安原 隆雄
1
,
村岡 賢一郎
1
,
亀田 雅博
1
,
伊達 勲
1
Tetsuro SHINGO
1
,
Takao YASUHARA
1
,
Kenichiro MURAOKA
1
,
Masahiro KAMEDA
1
,
Isao DATE
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Sciences
キーワード:
adult derived neural stem cells
,
autologous transplantation
,
neurotrophic factor
,
Parkinson's disease
,
cerebral ischemia
Keyword:
adult derived neural stem cells
,
autologous transplantation
,
neurotrophic factor
,
Parkinson's disease
,
cerebral ischemia
pp.823-829
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100599
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Ⅰ.はじめに
神経疾患の治療面に関しても,再生療法の応用が大変期待されている.脳内細胞移植はその手法の中の重要な位置を占め,これまで種々のドナー細胞が研究され,一部は臨床応用されてきた.ドナー細胞にはそれぞれ長所,短所があるが,臨床応用に関して最も問題になるのは,そのドナー細胞を用いる倫理的問題,免疫学的問題,腫瘍化の問題などであろう.自家細胞移植は,これらの問題を比較的クリアしやすいことから,ドナー細胞として大きな長所をもっている.神経幹細胞に関しては,胎児脳に神経幹細胞が存在することは知られていたが,成体の脳内にも神経幹細胞が存在することが報告されたのは最近のことであり,これを用いた再生療法研究の最大の長所は自家移植が可能になることであろう.本稿では,パーキンソン病と脳虚血を対象とした成体由来神経幹細胞を用いた再生療法の研究について,自家移植の側面を中心にまとめる.
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