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はじめに
哺乳動物の中枢神経系は,主にニューロンとグリア細胞(アストロサイト,オリゴデンドロサイト,ミクログリア)から構成され,そのうちグリア細胞が全体の90%を占めている。このような中枢神経系についての解剖学的検索は,今世紀初め頃より研究が始まり,ニューロンはシナプスを介してネットワークを形成し,アストロサイトはニューロンと毛細血管の間をつなぐように網の目状に存在し,また,オリゴデンドロサイトは神経突起をっつむミエリン鞘を形成し,ミクログリアは脳全体に広がって存在することが示された。これらの細胞形態から,それぞれの細胞の働きや役割が推測された。実際,その後の電気生理学的検索や生化学的,薬理学的検索を通じて形態学から推測された細胞の働きは次々と証明されてきた。
これら生理学的,生化学的,薬理学的検索が始まったのは解剖学的検索に比べれば比較的日が浅いといえるのであるが,近年の分子生物学的検索手法の発達や細胞培養技術の向上に伴い,さらに新しい事実が示されてきた。
In the central nervous system of mammals, astrocytes had been considered for a long time to be a architecturally supporting element of neurons. Recent findings, however, implicate that astrocytes have positive roles in physiological brain development and in regeneration of the nervous system.
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