Japanese
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特集 神経系と生物毒素
神経毒研究の最近の発展
Recent development of the studies on neurotoxins;An overview.
川合 述史
1
Nobufumi KAWAI
1
1自治医科大学第一生理学教室
1Department of Physiology, Jichi Medical School
pp.509-513
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900151
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近年の脳・神経科学の分野における研究のめざましい発展に,多くの神経毒素が利用されてきたことは周知の事実である。神経系に特異的に作用する生物毒素が神経系のイオンチャンネルやレセプターの特徴づけ,サブタイプの分類,さらに毒素を利用して蛋白分子の精製や単離に役立った例は数多く挙げられる4)。従来は微量のため正体が不明であった毒素がミクロ技術,遺伝子工学の発達によりその解明が急速に進展し,毒素間の構造の類似性や,発現機構が明らかになりつつある。また毒の多彩な作用の解析から,神経系のみならず広く生体内情報伝達機構への関与が明らかになる例など,新しい研究の展開がみられている。
表1に,神経毒が特異的なリガンドとして作用していると考えられている組織についての一覧を示した。
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