特集 気管支平滑筋の攣縮をめぐって
プロスタグランディンの最近の発展
小沢 高将
1
1名古屋大学医学部第2生化学
pp.591-596
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203577
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プロスタグランディン(PG)は,新しい誘導体や代謝経路が次々と発見されつつあり,その生合成経路とか生理作用などについて,ようやくその解明の緒についたところである。
1930年代にその存在が知られたPGは,Bergström1)によって構造決定がなされ,1974年HambergとSamuelsson2)によって,アラキドン酸からの生合成経路が明らかにされ,その生理作用に関する研究が大きく進展してきているが,現在次々と新らしい発展がみられている。事実,本カンファレンスの一週後に開かれたワシントンでのPG国際会議でSamuelssonは,アナフィラキシーのとき,肥満細胞から分泌されるSlow reacting substance of anaphyaxis (SRS-A)がアラキドン酸からlipooxygenaseによって合成される経路とその構造を発表して,大いに注目されているところである。
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